GoogleやFacebookなどの天才を生み出したモンテッソーリ教育 第4章
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将来世代への真の教育が社会を幸福へと誘う
自分の生き方は次の世代が見ているんです
幼い頃から多くの試練を乗り越えてきたマリア。しかし独裁政治や戦争の中、仕事を続けることは困難でした。
マリアは当時スペインに移り住んでいましたが戦争が激しくなりヨーロッパ全土にも戦争の影が忍び寄ります。
第二次世界大戦が始まったころ、マリアはインドの教育者から招待を受けます。
「ヨーロッパ全土で激しい戦争が行われています。マリアさん。インドで暮らしませんか」
マリアは7年間インドで暮らしました。その間1000人以上の先生を育てます。
そして戦争が終了した年、ヨーロッパに戻り戦争がなぜいけないのかと説くようになりました。その活動は多くの人に感動を与え、ノーベル平和賞候補に3度も選ばれます。
1952年5月6日 享年81歳 マリア・モンテッソーリは亡くなります。彼女の想いは多くの先生に受け継がれ、墓には以下の文字が将来世代へのメッセージとして刻まれています。
「愛する全能の子供たちよ。人類と世界が平和になるよう手伝ってください」
ここでは天才を生み出すモンテッソーリ教育のエッセンスを見てみましょう。
モンテッソーリ教育の5つの分野
①日常生活の学び
子供達は普段の生活を通じて成長していきます。片付けや洗い物だけではなくアイロンや洗濯も行います。これは依存から自立へと心の成長を意識しているようです。
②感覚教育
モンテッソーリは3歳から6歳の間に視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の5感が急激に発達する時期がある事に気づきました。五感の発達は知的行動の基礎となる為、モンテッソーリ教育では特に重要視されています。
③言語教育
モンテッソーリの言語教育は、言語発達の敏感期に沿ってカリキュラムが組み立てられています。。日常生活の練習と感覚教育を基礎とし、子供の興味や傾向に適したゲームや、言葉遊びが導入や展開に用いられます。
④算数教育
モンテッソーリの算数教育は、具体的に感覚で捉えることのできる「数量」から入っていきます。具体物である「数量」と、その数量を言い表すときに使う「数詞」、書き表すときに用いる「数字」の三者関係を重視し、これら三者が一致したときに初めて数量概念を身につけたと判断します。
⑤文化教育
動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれます。生命の神秘への興味や芸術に関する表現力など、多岐にわたった能力を育みます。モンテッソーリ文化教育の教具には、「太陽系の惑星の模型」や「世界地図・日本地図パズル」、「動植物の絵カード」などがあります。
モンテッソーリ教育では子供が育つ環境を特に重要視します。いったいどのような環境が良いとされているのでしょうか?
- 子どもの活動に適切であること(用具は子どもサイズであること)
- 色彩、形などが子どもに魅力的であること
- 制限のあること(1セットずつ備えておく。自分のやりたい教具をお友達が使っている場合、待つことを覚え、社会性を身に付ける)
- 誤りの訂正が自分でできるように(教具の使い方に誤りがあれば、自分で気付くように工夫されている)
- できるだけ本物であること(本物の持つ美しさを感じられるように。また、壊さないように慎重に扱うことに慣れる)
- 子どもの成長達や文化的発展に連なるように
多くの成功者を出し続けるモンテッソーリ教育。最後に教師の心得を学んでみましょう。
モンテッソーリ教育 教師の心得12か条
1.環境に心を配りなさい
環境を整え、間接的に子どもを導くことが重要。
2.教具や物の取り扱い方を明快に正確に示しなさい。
子どもに的確な援助をするために、教師は教具の使い方を繰り返し練習しなければならない。
3.子どもが環境との交流を持ち始めるまでは積極的に、交流が始まったら消極的になりなさい。
能動的な精神を持ちながらも、子どもが仕事に集中している時は受動的な立場で、温かく見守り観察する。
4.探し物をしている子どもや、助けの必要な子どもの努力を見逃さないよう、子どもを観察しなさい。
子どもの喜びを大人の代行で奪ってしまわないように。しかし、助けが必要なタイミングは逃さずに。
5.呼ばれたところへは、駆け寄り、交歓しなさい。
呼ばれたときにすぐ行けば、2,3分ですむことが、そうしなかったために30分かけてもダメということにならないように。
6.招かれたら、耳を傾け、よく聞いてあげなさい。
子どもが直接、言葉で表現していない要求も含めてくみ取るように。
7.子どもの仕事を尊重しなさい。質問したり、中断したりしないように。
大人の一方的な都合で、子どもの仕事を中断したり、妨げたりしないように。
8.子どもの間違いを直接的に訂正しないように。
大人が思っている以上に子どもはプライドが高いので、直接的に間違いを正すのではなく、子ども自身に気付かせるように。また、間違わないように仕向けることもしないように。間違うことで学んでいくのだから。
9.休息している子どもや他人の仕事を見ている子どもを尊重しなさい。仕事を無理強いしないように。
10.仕事を拒否する子ども、理解しない子ども、間違っている子どもは、たゆまず仕事への誘いかけを続けなさい。
9と10の子どもの様子は、外見上は同じように見えますが、内面は全く逆。これを見分けるためには、日頃から子どもをよく観察していなければならない。
11.教師を捜し求める子どもには、そばにいることを感じさせ、感づいている子どもには隠れるようにしなさい。
12.仕事がすんで、快く力を出しきった子どもを静かに認めながら現れなさい。
決して安っぽい言葉でほめないこと。子どもの心に安らぎを与えられるように。
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