物よりも行為が幸せの源
この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
–– 知識ではなく実践が人生を変える ––
STEP1 財布を落とした
15年ほど昔の話です。友人との約束の為、わたしはタクシーを使ってレストランに向かいました。
美味しい食事が終わった後、お会計の時に友人が言いました。
「ここは僕が誘ったから、ここは僕が出すよ」
そう言って彼はそそくさと会計を済ませました。
申し訳なく思ったわたしは知っているBARに誘って楽しい時間は深夜まで続きました。
そしてわたしは彼が席を立ったときにお会計をすませようと鞄に手を入れると
「ない・・・・・・」
そうお財布が無いのです。
「どうしよう・・・会社に忘れたのか・・・」
酔った頭はすぐ冷静になり、ある事に気がつきました。
「タクシーでお金払っている・・・・・」
現金もある程度入っていましたが、財布の中はクレジットカードやキャッシュカードなども多数入っており、楽しい気分から一転。「時間をもどしてくれ〜」
「どうしたの?」
トイレに立った友人が帰ってきたのでとりあえず説明しました。
「申し訳ないけどお金貸してください。。財布落としました」
それは大変!そこから警察に行って被害届。さらに妻に連絡してカード類をすべてストップ。
深夜の連絡のため幼い子ども達も起きているようでした。
STEP2 人の物を盗むと盗まれる
家に帰ると子ども達が心配そうに問いかけます。
「パパ大丈夫?」
「パパね。お財布落としたの」
わたしは残念そうな表情で彼女に言うと
「パパ。誰かの財布盗ったの?」
その言葉にわたしはドキッとしました。
もちろん財布を盗った事はありません。しかし、子供の頃から悪いことをしたら自分に返ってくるよ。という教育をしていたので、わたしが財布を無くしたのは「誰かの物を盗ったから」だと思ったようでした。
「パパは何も盗ってないんだけどね〜」
わたしはとても悲しい気分になって布団に入りました。
「ルルルルルルル」
早朝より自宅の電話が鳴り響きました。
「誰だこんな早くに」
そう言って電話を出ると相手は警察からでした。
「昨日落とした財布が見つかりました。お金も入っています。」
「!!」
「タクシーの運転手が後部座席の下に落ちている財布を見つけて届けてくれたんですよ」
完全に諦めていたわたしは、本当に嬉しくて返事しているとリビングの方で娘が妻と話しています。
電話を切ってわたしは言いました。「財布あったみたい」
すると娘は嬉しそうに言いました。
「パパ。人の物盗ってなかったんだね」
わたしはとても幸せな気持ちになりました。
「盗んだら盗まれる」という教育は正しいのか? その善し悪しは分かりません。
しかし、物が戻ってきたと喜んでいたわたしに対して
娘は「パパが他人の物も盗ってなかった」事に喜ぶ。
その時わたしは学びました。
幾らお金があろうとも、正しい行動がなければ喜びは無い。
わたしは娘に恥ずかしくない生き方をしたいと思いました。
運転手さんありがとう!
<<今夜も読んで頂きありがとうございます>>
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